その日のその時間
偶然にもわたしは彼と一緒に部屋にいた。
建物が軋みグラグラ揺れ出したが
すぐ治まるとその時は思った。
けれど揺れは治まるどころか
数秒後には立ってさえ居られなくなり
わたしは彼に手を引っ張られ外に出るため靴を履こうとしたが
凄まじい揺れによろけてしまい、なかなか靴が履けなかった。
それでも何とか靴を履き外へ飛び出し
駐車場の彼の車に乗り急いでナビのテレビをつけた。
その映像を観た時一瞬理解出来なかったが
東北地方が大津波に襲われたのだとようやく理解出来た。
わたし達は関東の都市部に住んでいるが、
この地域は震度5弱だった。
その後余震が続いたが
おそるおそる部屋に戻ってみると電気も止まり水も出なくなっていた。
家財道具 食器棚 冷蔵庫などは全て斜めにずれていて
電子レンジ トースターは危うく床に落ちかけていた。
その夜も余震と停電は続いていて部屋には戻れず
わたし達は夜中まで車で過ごす事になった。
この東日本大震災の影響で
わたしはまた鬱症状が出始めてしまい
この日を境にわたしは部屋に引きこもりがちになっていった。
続く・・・
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