入籍2013.06.07 12:45 妊娠判定は間違い無く陽性だった。 ついこの間まで更年期だと思い込んでいたわたしは この事実に混乱した。 彼の子供をお腹に宿した事はもちろん素直に嬉しかった。 けれども、果たしてこのわたしに 出産など出来るのだろうか? いや、10ヶ月に及ぶ妊娠生活など 送ることが出来るのだろう...
同棲 ~8~2013.06.07 05:25 新居の引渡しが無事終わり わたし達はその10日後に引越しを終えた。 物をあまり増やす事無くシンプルな生活を送って来たつもりが 意外に所有物が増えていて 引越しセンターのトラックに何とかぎゅうぎゅう詰めで収まった。 新しく広々としたリビングやお風呂 家中の窓を全て開けると風が抜...
同棲 ~7~2013.06.05 03:28 わたし達がその家を気に入ったもうひとつの理由がかわいらしいお庭だった。 マンションの購入を考えていたわたし達は「庭」と言うものの想定が全く無く せいぜい日当たりの良い広めのベランダくらいしか想い描いておらず この広すぎず狭すぎないかわいらしい「お庭」をわたしは大変気に入ったのだ...
同棲 ~6~2013.06.04 17:38 年が明けてからも 相変わらずわたしは子供と頻繁に会っていた。 「今日はあのお兄ちゃんいる?」などと言って 子供は彼に会えるのが楽しみなようだった。 こうして過ごしているうちにわたしは子供と一緒に暮らしたいと言う思いがより一層強くなっていった。 前夫は仕事が忙しく朝は子供よ...
同棲 ~5~2013.06.04 05:12 わたし達の生活はその後も順調だった。 その時すでに上の子は専門学校を卒業し自立して専門職に就いていた。 上の子にも彼を紹介し 年末には2人の子供たちを部屋に呼び4人でわたしの手料理を食べ 楽しいひと時を過ごす事が出来た。 最初彼と子供達は(特に上の子は彼と歳が近かったので)何...
同棲 ~4~2013.06.03 17:02 その後も変わらず支え合いながら わたし達はつつましく暮らしていた。 その頃には辛い出来事を思い出し涙する事も少なくなり わたしは少しずつ本来の自分らしさを取り戻しつつあった。 けれどもその自分らしさを取り戻した事により 「なぜ子供を置いてきてしまったんだろう。」と言う自責...
同棲 ~3~2013.06.03 01:57 この出来事で全ての体験者が焦燥感や恐怖 漠然とした不安を抱えることとなり わたしもその例外では無かった。 買い物に行ってもすぐに食べられるものが何も無く パンの棚もガランとしていて何も無かった。 米も水も棚には無くわたしは焦った。 前夫の元で暮らしている子供の事も心配で居ても...
同棲 ~2~2013.06.02 16:27 その日のその時間 偶然にもわたしは彼と一緒に部屋にいた。 建物が軋みグラグラ揺れ出したが すぐ治まるとその時は思った。 けれど揺れは治まるどころか 数秒後には立ってさえ居られなくなり わたしは彼に手を引っ張られ外に出るため靴を履こうとしたが 凄まじい揺れによろけてしまい、なか...
同棲2013.06.02 14:55 2人で暮らすようになってから数ヵ月後わたし達は2LDKのマンションの高層階に移り住んだ。 あのワンルームのロフトも大変気に入っていたが 2人で暮らすには少し手狭だったからだ。 そのマンションは道路の奥まった場所にひっそりと建っておりとても静かな環境だった。 高層階なので人目...
恋愛 ~6~2013.06.02 03:32 前夫の仕打ちによる後遺症として わたしは極度の被害妄想と自尊心の消失があったようだ。 これは自分では全く気が付いておらず 後に若旦那君に指摘され始めて知る事となるのだが・・・。 今にして思えばかわたしは完全に「鬱」症状だったのだと思う。 それらの症状が彼から見て多少深刻だったの...
恋愛 ~5~2013.05.31 15:38 前夫と離婚する2年ほど前にわたしは病気に罹り 手術をしていた。 癌だった。 早期発見だったがまだ30代という若さの癌だったためわたしは転移などが心配だった。 もちろん5年間は定期的に検診を受けなければならなかった。 それでも前夫には相変わらずの仕打ちを受けており 離婚する頃に...
恋愛 ~4~2013.05.30 11:11 彼の免許取得を期に わたし達の関係はそれまでとは大きく変わっていった。 彼を大人の男と意識した事でわたしは以前に比べ少しずつ彼を頼れるようになっていた。 彼もまた自分が運転し その主導権を握った事が自信につながったのか、以前より積極的にわたしをリードしてくれるようになり わた...