同棲 ~8~




新居の引渡しが無事終わり 


わたし達はその10日後に引越しを終えた。


物をあまり増やす事無くシンプルな生活を送って来たつもりが 


意外に所有物が増えていて 


引越しセンターのトラックに何とかぎゅうぎゅう詰めで収まった。


新しく広々としたリビングやお風呂 


家中の窓を全て開けると風が抜けて気持ちが良い。


マンションとは違った開放感で 


わたしはとても居心地が良くリラックス出来た。



新居に程近い場所には 病院 薬局 スーパー ホームセンター 洋品店 


あらゆる飲食店 コンビニ 大きな児童公園 等


大きな商業施設が立ち並び 


徒歩か自転車があればほぼ全ての用事を済ませる事が出来た。



そんな立地だったので戸建住宅よりアパートやマンションと言った集合住宅が多く 


郊外の住宅街とは違い、わたしの苦手な近所付き合いも非常に希薄で 


わたしはとても気が楽だった。



そして引越した2ヶ月後には親権を取り戻し 


子供と3人の生活が始まった。


けれどここまで来るのにわたしは心労が絶えず 


その中での引越しや 新居での引越しの荷物の片付け等 疲労もかなり溜まっていた。



子供を取り戻し3人一緒の生活が始まり 


ほっと気が抜けた頃 


わたしは更年期と思われるいくつかの症状に悩まされるようになった。


頭痛やひどい肩こりに加え 


気分にムラがあり 急にイライラしたり 


何もやる気が起きない脱力感に襲われたり 


ただただ眠くて睡魔を我慢した。



もうすぐ生理が あがるのかしら? 


わたしはそんな風に考えていた。



やはりその月は 生理がなかなか来なかった。


ある朝目を覚ますと胸が痛い。


あぁやっと生理が来るかな? 


と思ったが、いつもの痛さとは明らかに違った。


いつもは乳房が張って乳房全体が痛いのだ。


でもその朝は 赤ちゃんにおっぱいを飲ませる前のパンパンに張った胸の乳首が痛い 


そんな痛みだった。


乳首がツーンと痛いのだ。



わたしはその痛みに違和感を覚えたが気のせいだろうと 


その日は気にしなかった。


けれども 赤ちゃんにおっぱいを飲ませる直前の


乳首がツーンと痛くなる感じ は その翌朝にもあった。



けれどその時もまだわたしはのんきに 


どうしたんだろう?母乳でも出るのかしら? 


などと軽く考えていた。



その日の夕食の支度で 


わたしはご飯の炊ける匂いがなぜか鼻についた。


まさかつわりだったりして・・・冗談のつもりでそう考えた。



冗談のつもりだったけれど 


あまりにも生理が遅れている事も気になり 


わたしは夕食の支度を終えた後、薬局に行き妊娠判定薬を買った。



こんなオバサンが妊娠判定薬だけを買うのがどうも気恥ずかしく、


季節はずれなマスクに帽子を深々と被りわたしは薬局に行ってきた。



そして次の日の夜 


彼にその事を伝え 実行し2人で判定を待った。




1分もしないうちに判定の赤いラインが浮かんで来た。




最初はぼんやり 


でもそれは徐々にハッキリと妊娠している事を示していた。




彼は照れ臭そうに 


でもとても無邪気に喜んでくれた。




「嘘でしょ!!」


わたしはまだ半信半疑でポカンとしていた。



何度ラインを確認しても間違い無かった。




1度ゴミ箱に捨てた検査薬をまた拾い 


もう一度2人で確認したりしたが、


何度見ても妊娠は間違い無かった。






続く・・・






Take It Easy♪熟女妻の日々徒然

ツインソウル22歳年下旦那君.45歳高齢出産.病気諸々