わたしはずっと夢を見ていた。
彼にハグされながら雲の上を彷徨ってるような不思議な夢だった。
目が覚めてもしばらくの間 夢と現実の狭間にいた。
昨日の出来事がまだ信じられず、
夢だったんじゃないかとさえ思った。
それから食事も摂らず彼の事を考え続けた。
彼はわたしとこの先どうなる事を望んでいるんだろうか?
もしも付き合いたいと言われたら、
傷付けずに断るうまい方法はないものか・・等々
考えあぐねていた。
そんな時彼から
明日逢えますか?とメールが届いた。
わたしは考えた末に「大丈夫だよ。」と返信した。
翌日 約束の場所に彼は居た。
わたしを見付けると相変わらず嬉しそうに真っすぐわたしを見つめ
そしてはにかんだように微笑んだ。
それを見てわたしは罪悪感に襲われ
なんだか切ない気持ちでいっぱいだった。
彼は車に乗り わたしはあても無いまま車を走らせた。
彼はその時まだ車の免許を持っていなかったのだ。
その事で彼の若さを改めて認識し
わたしはふたたび罪悪感に襲われた。
取り返しのつかないことをしてしまったと。
何も知らない彼は相変わらず嬉しそうにわたしを見つめている。
彼がわたしに対して真剣であることは明らかだった。
わたしは唐突に言った。
「今はわけがあって誰とも付き合えないんだ。ごめんね若旦那君。
若旦那君まだ若いしさ、
これからもっといろんな子と付き合ってみなよ。」
「俺はチョコミントさんが好きなんです。月に1度でいいんで俺と逢ってください。」と彼。
「うーん じゃさ、5年経ってまだわたしの事が好きだったらまた連絡して。」
「駄目ですよそんなの、5年の間に他の男に取られちゃうじゃないですか!
どんなわけがあるんですか?
言いたくなければ俺も聞きません。
でも月に1回でいいんで逢ってください。
チョコミントさんに絶対迷惑はかけません。お願いします。」
何度かやりとりをしたが彼は納得せず
もう何を言っても無駄だった。
結局 わたしは月に1度彼に逢うことを承諾した。
続く・・・
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