【わたしの光と闇・4】~言えなかった過去~




若旦那君に


『チョコの今までの人生を全部教えて』



そう言われた事があったけど


わたしは答えたくない過去があった



忘れてしまいたい人生の【汚点】



若旦那君にどう思われるかでは無く


わたし自身が無かった事にしたい


ゴミのように生きてた過去



わたしはその事を


記憶から消し去っていた





それなのに


高校生の頃に読んだ


恋愛小説の話から


その事をリアルに思い出してしまった




『ねえ、


チョコが言いたく無いって言った昔の話


聞かせて・・・』




若旦那君とわたしは


気持ち(感情)が伝わってしまうので


黙り込んだわたしに


若旦那君がすかさずそう言ってきた




わたしは何となく


その時期が来たのかな?と思い


話し始めた





あのね、世の中には


暗闇の中で生きてる人達が


いっぱい居てね・・・


わたしもその闇の中で生きてたの



闇ってね


世の中に後ろめたい事して


生きてる人達だよ




闇 金、闇賭 博、違法ドラッ グ、違法な風〇




そういう事してる人と付き合っちゃって


支えてた時期があった


そういう世界の下っ端みたいな人



周りにまともな人なんか居なかったよ



多分愛なんて与えられた事も無いし


愛し方も分からないような人ばっかりだった



どうやって今日1日をしのぐかって事しか


頭にないの



どうやって人から金を引っ張り出せるかしか無くて



そういう人と暮らしちゃってね


変な正義感で


その人守らなきゃって思ってたんだ



その人がク〇リをやりすぎていて


幻覚見て怯えて・・・


わたしをそこらじゅう連れまわすの



わたしはどうしたらこの人を救えるのか


途方に暮れて


でもどうにも出来なくて


逃げ出したいのに


逃げる事も出来なくて




そのうち一緒に捕まるのかな?って


思いながら過ごしてた




闇社会の映画は観た事無いけど


かっこいいもんじゃなくて


ドロドロした汚い世界なんだよ



今の生活からは考えられないくらい


荒れてたの



いつ捕まるかって


生きた心地がしなかった



でも愛云々じゃなく


情で離れる事が出来なかったんだ



どうしようもないのに


ずっと一緒にいる事しか出来なくて・・・




あれはわたしの人生の底辺だったよ



でもそういう世界でしか生きられない人が


たくさん居るんだよ今だって・・・



お天道様に背を向けて生きてる人達が


その日を生きるために


ただ生きてるの



人からとったりとられたりしながら


身を削りながら


ただその日を生きてるんだよ



そういう人と一緒に


わたしも生きてたんだ


逃げる事も出来ずにいたんだ・・・・




わたしは懺悔のように


自分の過去を告白した




ずっと泣きながら


いろんな事を思い出して


思い出してはまた泣いた





多分ある出来事が


そうなったきっかけかも知れない




わたしは


ひとつの悲しい出来事を思い出して


そう言った







次回に続きます。